安全教習セミナー 第2回のようす
タイトル |
「ワンランク上の飛びへ・ワールドカップ&世界選手権転戦記」 |
講義項目 |
〜はじめに〜 注意していることは、フライヤーのレベルに応じた話し方・指導をするということ。例えばサーマルの入り方にしても、スクール生とエキスパートでは全く正反対の表現になることもある。それを踏まえて話を聞いて欲しい。
川地塾の意味
負荷トレーニング 第六感を磨く? 観察力
● 大会では自分の好きなコンディションの時にばかりTOできるとは限らない。 (1)誰も飛ばない朝一のシブい条件でダミー (2)普通は行かない空域へ行ってみる (3)わざとタイミングをずらしTOする ※川地さんはフライト50時間以上程度のPを念頭に話をしていると思われます。スクール入りたての方が、むやみにだれもいない空域に行ってみないようにね!
● 第六感といわれるものも、極めれば信じられるものになる。右脳がつかさどると聞いたので左手でゴハンを食べるようにした時期もあった。いまでもいざという時のカンはよくあたると思う。
● サーマルを見るには、観察力が重要。例えば慣れた道なら、対向車の流れなどを観察しながら、赤信号にひっかからないようにドライブすることができる。 地形、風向き、雲のできる周期、などなど、観察眼を養おう。
大会の話 世界選手権
●ワールドカップは個人対抗戦、世界選手権は国別対抗戦といえる。国のプライドのぶつかり合いでそれはもう大変。
●例えばブリーフィングも、ワールドカップは選手全員に対するが、世界選手権では国の代表一人ずつを集めて別会場で行われる。TOの場所が知らされたと同時に無線連絡が待機車両に飛び、良い場所をとるために各国のトランポカーが走り出し競争になる。
●男子は上位3人の成績で国の順位が決まるため、5人中明らかに挽回できないと思われる下の人は、成績のいい者のバックアップや、後から来る自国の成績の良い女子のバックアップなどにまわる。
●そういう戦い方なので、アジア選手権で日本が2位になってしまったのは、自分が多数の韓国の選手に金魚のフンのように張り付かれたままゴールしてしまったためかもしれない??? ※上手い人の宿命ですね。
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質問コーナー |
●前乗られてたブーメラン3と今乗っているタルガどっちがいいですか? →ブー3は旋回性がいい。タルガは直線が早い。どちらが良いということではないかな・・・。今、タルガのセッティングを出しつつあるところです。
●川地さんはサーマルを作り出せると聞きましたが。 →『秘技サーマル起こし』のことですね。あれは条件があります。周囲が牧草地などで、牛を囲う柵でT字状に区切られている、柵がぶつかっている所の真上で小さく回します。柵によって条件の違う空気のカタマリが区切られているのですが、そこの境界で回すことで自分がトリガーになるのです。 柵の境界に熱源になりそうな黒い牛が点々と寝そべっていたりするともう完璧です。 柵が十字状になっていると、空気が均等すぎるので、T字状の方がよりできやすいです。
●サーマルのコアに弾き飛ばされることが多いのですが。 →ハーネスのセッティングが決まっていないのでは?自分の重心(へその位置)とハーネスの重心がずれていると、ブレやすいです。しっかりとしたハーネスセッティングで体重移動をすれば、弾かれてもすぐ体勢をたてなおし切り込むことができます。 センタリングの時足を伸ばしていると、重心がブレやすいので、足(特にイン側)はなるべく縮まらせ、小さくなって回したほうがいいです。
●クロカンなどで知らない所に降りる時場の風を知るのにどうしていますか。 →丁度いい具合に洗濯物が干してあったりこいのぼりがあったりすることはめったにありません。上空で最低1回はサブロクを切ります。それで風向きその他の観察を行ってから、LDします。
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当日の写真 |
これが世界の3位のレベルの話だ・・・
アクションもまじえて面白おかしく話していただきました。
明日から、赤信号で止まらなくてすむように運転したり左手でゴハンを食べる人が続出でしょう。
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最後に |
普段は聞くことのできない遠い世界の話をしていただきました。
世界はともかく、みなさんも、自分のエリアで安全マージンの大きいセーフティフライトができる余裕が生まれるまで、レベルを上げるべく、練習いたしましょう!
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